二次元が充実しすぎて毎日何がなんだかわからんね!って感じだったんですけど先ほど十二国記新刊4巻を読了しまして呆然としている……すごかった……すご……かった……なんていうんだろう……感情の上下はものすごい上がり下がりっぷりで神経やられそうだったんですけど「早く先が読みたい」って気持ちが強すぎて感情を薙ぎ倒し読み進めてしまった……すごかった……すごかった……
以下感想なんて体すら保ってないんですけど感想っぽいもの
1~2巻の「肝心の泰麒&阿選の真意がどことなく伏せられ登場人物だけでなく読者もおろおろさせられる」という構成からの3~4巻の「泰麒VS阿選」の流れ、完全に手のひらの上で踊らされてしまった
泰麒が何かを決断する時にその意思の礎となるのが「民のため」だけでなく「広瀬先生や蓬莱で死んでしまった人たち」なのが結構リアルに胸がギュッとなってしまった。幼い時分に「天命ではなく自分の好きな人を王として選んでしまった」と思い込んでいた自身を改めた「正当な王以外に額づけない」という麒麟の性質を「自分が選んだ驍宗様のため」という意思の力で抑え込んだところも……ほんと……
いや本当に、もちろん何年も自分が戻れず国を守れなかったことを悔やんでいる上、自分が麒麟である故に蓬莱でたくさんの命を落とさせてしまった負い目もあって、泰麒の決意が揺るがないのはわかっていたんですけど、それ以上に「驍宗様」のためにここまでできるのだと感極まって読んでいたので、刑場で二人が再会した時の「蒿里か」で結構泣いてしまった……その後の展開が「 こ れ が 見 た か っ た 」って感じでもう泣いていいのか笑っていいのか
最後の最後で転変した泰麒、転変できるのを隠してたんじゃなくてそこまで治癒してるの泰麒もはっきりとは知らなかったんじゃないかなと思うんですよ……泰麒が転変するのは驍宗様に額づくための本能なので……最初の転変もそうだったので……いやダメでしょこれは思い出し泣きしてしまう……
そんなこんなで泰麒派閥の面々の目をも戸惑わせるほどの「冷徹」を貫いていた泰麒が唯一精神的に崩れ落ちたのが囚われた正頼を置いていかざるをえなかった場面、ってとこにア゛ア゛ア゛ア゛となってしまい……私は「冬栄」が大好きで本当に何度も読み返しているので……いや正頼はさすがにダメかと思っていたので最後助かって本当に本当に良かった……良かった……
阿選の謀反の理由の「本当にそれだけ!?」って感じの虚しさ、逆に「それだけ」だったからここまで来ちゃったんだなという空虚さ、この大義の無さ、ファンタジーの欠片もない……天の意思たる麒麟が自分を選ばなかった、謀反した、ときてここで「自分の方が王として優れているところを天に知らしめる」とか「何らかの形で天にも謀反する」とかそういうこともしなかったわけで、本当に戴を蹂躙しただけ……なのに阿選の独白に説得力があり過ぎて納得ができてしまうこの虚しさ……
なんかこう、驍宗様と阿選の器の違いが浮き彫りになりまくりで小野先生やめたげてよお!って感じもあったんですけど、何より「自分の部下に汚点を見せられるか否か」で局面が大きく分かたれたのがこう、器の差!ってなりましたね……阿選、自分の信頼できる部下に驍宗襲撃任せてたら、作戦だけでなくその後の部下との蟠り的にももっとうまく事を進められてたと思うので……
いやしかし、あの幼気な泰麒にすらあそこまで憎しみを抱いていたのだから、その泰麒が大人になって戻ってきたらそりゃああいう対応になりますよねと、なんというか阿選関係はすべてにおいて小野先生の文章力なのか何なのか「そりゃそうなるよね…」って説得力が半端なかった。おそろしい。それはそうとして案外の時代は来ない。そして恵棟がしんどい……いやほんと恵棟は何とかならないのかな……治らないのかな……あまりにも可哀想……
対する驍宗様はほんと同じ時代に同じ場所で同じような実力という立場に存在してしまった上に姓まで同じだった阿選さすがに気の毒ではってくらいおつよかった……いやもうずっとリアル二桁年数悩んでたんですけど、泰麒帰ってきたけども天はシステマチック!っていうのが強調された巻だったから、驍宗様が王様できてない=役目果たせてない=泰麒失道とかしないかな大丈夫!?って不安だったんですけど、驍宗様が想像の遥か上のお人だった。精神摩耗ゼロかつお祈りまでしてた上に最終的に自分で出てきたし、せっかく出られたのに久々の対人戦闘で負傷したらどうしようとか読者がハラハラしてるのをよそに「目が見えにくい」くらいの弱体のみで相変わらずの圧倒的強さだった
でもそのメンタルお化けが小さい泰麒を思い出したり成獣になった泰麒を想ったり、助けてやれなかったと詫びるの、紛れもなく愛……再会した第一声が「大きくなったな」なの……剣を離せない泰麒の手を取ってくれるの……愛なんだよ……そしてその愛情の大きさを考えると、逆に泰麒にはそれに加えて麒麟の本能としての「耐えがたい王との別離」がのしかかっていたわけで、いや考えれば考えるほど戴主従のメンタル恐ろしいな!?
阿選すら手を出せなかった難所から自力で脱出してきた驍宗様ですが、これ泰麒が蓬莱から戻る前に出てきちゃってたらまた状況が違っていたと思うので、タイミングを含めて天意なんだろうなと感じ入る次第
存在自体が強すぎる驍宗様&泰麒の傍ら、李斎は本当に頑張った……いやなんかもう言葉が見つからないくらい頑張った……飛燕が死んでしまうなんてことあるとは思っていなかった……本当に……本当にもう……いやなんか言葉が見つからないんですけれどこの文章の100倍は書くことあるはずなのですが、初登場時からブレのない設定ではありますが「実質男な女武将」じゃなくて「女の武将」なのが最高だなと思うんですよね、ジェンダー的な意味ではなく感性がというか、いやなんかもう言葉じゃ言い表せないよ
小野先生すさまじいなと思うのは今作は群像劇としても登場人物の多さがとんでもなかったのに「この人誰だっけ」が全然無かったことですね……4巻構成って多いなと思ってましたけど全然足りない……足りないです先生……!!短編集で補完されるとのことですが耶利と琅燦の話は絶対に読みたい……
これだけ多くの人間が出てきているのに逆に頼みの綱の英章&臥信が顔見せすらせず出てこないから早く来て英章……!!ってずっと思ってたんですけど状況的にも物語的にも最高の登場をしてきたのでなんかもう泣いていいのか笑っていいのかわからなかった。デキる男!!!!
個人的に「なるほど!?」って思ったのは景王のオトモこと賓満が戴では全然ポピュラーじゃなかったことですね!いやそもそも妖魔を操れるのは基本的に麒麟だけなのだから慶でだってポピュラーなわけでは全然ないんですけど読者的にはね!!賓満つけてる陽子がどんだけ強いのかって話ですね。最後の最後で役に立ったのが景王の旅券だったの感動してしまった
そしてこの延主従である。いや何この安心感……もう絶対大丈夫じゃんという安心感……再会するのにこれだけの時間と犠牲を必要とした一対の王と麒麟、一方で隣国の王は600年連添った麒麟の襟首を掴んでポイしていたのであった。温度差!!この余裕!!とら貸してからこれまでずっとそわそわスタンバってたので即飛んできました感!!!好き…………
最後の史書で締めるスタイル本当に好きで「十二国記を読んでいる」という感慨深さ……その感慨深さについて考えてたらなんか1:30なんですけど何が起こった……私の2時間はどこに消えた……???これから1-4巻再読始めますが通読したらこの数倍は感想出てきそうでこわい。とりあえず今日は寝ます。おやすみなさい!!!!